ゴルフ練習場業界全体動向

掲載データについて
ここに掲載されている練習場に関するデータ、資料、グラフ、理論は、すべて当社の独自の調査、分析によるものです。これらのものを無断で使用、転載することは、著作権違反となりますので、必ず当社の承認を得てください。
(有)ケージーアール出版 (株)ゴルフ経営研究所
弊社では、毎年ゴルフ練習場業界全体の動向について調査し、4~3月の年度単位で集計、発表している。
対象となるゴルフ練習場は、下記の定義に基づく。

 2016年度全国ゴルフ練習場の施設数と利用状況

 (株)ゴルフ経営研究所の調査による2016年度(2016年4月~17年3月)の「全国ゴルフ練習場の施設数と利用状況」によると、施設数は土地の有効活用から74施設が閉鎖、新設18施設との差し引き56施設、1.7%の減少となった。これにより全国施設数は3,155施設となり、24年連続の減少となった。最多期1992年度の5,420施設と比べると、2,265施設少なくなり、41.8%市場規模を縮小している。
 練習場延べ利用者数は、一施設当たりで前年比0.4%、103人増加、27,727人となり、3年連続のプラスとなった。しかし施設数の減少もあり、全体延べ利用者数は前年比122万1千人、1.4%減少し8747万8千人で、7年連続減少した。
 練習場業界は、景気低迷、異常気象で10年度に大きく落ち込み、11年度は震災、原発、電力不足、12年度も原発後遺症と政局不安の影響を受けて低迷、13年度は自民党の経済政策に期待がかかったが業界反発までには至らず、大雪など異常気象も加わって低迷、14年度は消費税増税があり、回復の兆しに留まった。15年度でようやく一施設当たりに回復傾向が現れた。しかし16年度は4月に熊本、10月に鳥取と大型地震が相次ぎ、景気も予測不能の国際情勢と相まって回復に至らなかった。
 17年度(17年4月~18年3月)も前半は低迷、6月以降やや持ち直しているものの、プラス域に入るかは微妙なところ。
 ゴルフ界の需要市場は、ブーム期から40~45年を経て、初期参入世代はリタイア期を迎え、拡大した供給市場もまた、それに合わせゴルフ場、練習場を問わず再編、変革の時代を迎えている。供給市場は練習場、ゴルフ場とも土地の効率利用を求め、閉鎖転業が続いている。特に大都市部では郊外施設が閉鎖する代わりに、土地を必要としないインドア施設の乱立が続いている。
 かつての練習場の役割は、続々参入する新規ゴルファーの「練習」「上達」の場であり、コースでのラウンドプレーが可能になるまで育てる「義務教育」の場であった。
 もちろん、これからもその基本は変わらない。だが少子高齢化、レジャーの多様化によるゴルフ人口の減少は、需給関係を一変させた。
 練習場、ゴルフ場、用品店の垣根など無く、お互いの役割をも担う経営戦略を余儀なくされている。いつまでも旧態依然の練習場の在り方だけでは、生き残れない時代に突入している。特にゴルフ場が付帯練習場を解放し、初心者まで受け入れる欧米並みの運営体制に移行してくると「練習」だけの練習場では相手に分がある。都心部はまだしも、ゴルフ場が近隣にある地方ではなおさらである。対抗するには、練習場特性を活かし、逆にゴルフ場で失われつつある「メンバーライフ」「コミュニティ」の役割を練習場が請負い、地域の身近な「生涯スポーツ」の場として魅力の構築をするべきだ。

「ゴルフ練習場」の定義
「ゴルフ練習場」とは、打席を有した施設で、利用料金がある場合は「会員制」「非会員制」を問わず、また打席の大小、飛距離の如何、屋内外を問わない。さらに、6ホール未満、ホールの平均距離が70m未満のミニコースも「練習場」の部類となる。コースに併設している練習場の場合は、単独でも一般営業しているケースは含まれるが、完全にゴルフ場の付帯施設としている場合は除く。
上記に関する参考資料
●全国ゴルフ練習場施設数、利用者数の推移

 第42回全国ゴルフ練習場経営調査結果(2018.3)

練習場の景気動向(2018年3月)

総論
 練習場業界の景気動向は、今年の「景況感」、昨年実績の「来場者」、同「売上」の三部門とも前年値を上回る結果となった。練習場経営者を対象に、今年2~3月にかけて当社が行った「第42回全国ゴルフ練習場経営調査」集計によると、2018年の「景況感」は、DI値(景気動向指数 diffusion index ディフュージョン・インデックス。上昇(増加)回答割合から下降(減少)回答割合を引いた指数)で、昨年より11.9ポイント改善し26.5となった。2017年実績の「来場者数」でも10.2ポイント改善し0.7に浮上、同様の「売上高」も8.8ポイント改善したが-7.1に留まり、プラス域に届かなかった。
 ゆるやかな回復をみせた練習場業界だが、利用傾向として消費額は年々落ち込んでおり、売上は来場者数と比例増加していない。その意味では景気回復には程遠い現況がうかがえる。

◎景況感
 練習場経営者が捉える今年3月時点の「景況感」は、「回復している」回答は全体の45.2%で、昨年の同様回答38.4%から増加した。一方「下降中」回答は18.7%で昨年の23.8%を下回った。
 業況判断をみるDI(プラス50以上が好景気、-50以下が不景気)は全国値で26.5となり、昨年の14.6から11.9ポイント改善された。
 業界は流れ的には緩やかな回復基調にあるものの、昨年は16年の九州地震の影響もあり反転後退、17年実績がやや復調したことから再び復調路線が進むとの予測が、結果に表れている。
 しかし不安材料も多い。ゴルフ人口の縮小を背景に、来年の消費税増税、年金不安や公共料金等の高騰は生活防衛を強いられる。それが消費額の低迷につながり、売上が伸びない要因となっている。弱含みの改善であることは論を待たない。
地方別「景況感」
■北海道・東北地方27.8(19.4ポイント改善) 震災以降右肩上がりで推移したものの、14年をピークにダウン、4年ぶりに改善値。
■関東地方22.4(1.3ポイント悪化)
安定推移も弱含み。都心部だけに景気に左右されやすく、今年への期待値も少ない。逆にみれば環境に敏感なため、好転時は真っ先に伸び率が高くなる。
■中部・北陸地方38.2(22.1ポイント改善)
需給バランスが取れており、比較的安定推移。昨年全国一高いDIに復活。
■関西地方26.9(26.9ポイント改善)
施設規模が大きいことで、一喜一憂のふり幅が大きいが、関東よりは高水準。改善値は九州に次ぐ回復基調。
■中国・四国地方0.0(25ポイント悪化)
16、17年と連続の改善で昨年DIトップになったものの、今年は反動で大きくクールダウン。一転全国で 最も低い水準に。
■九州地方35.7(35.7ポイント改善)
熊本地震からの復興で高い改善値示す。DIは中部・北陸に次ぐ高水準。


◎来場者部門
 「来場者」部門では「17年実績が16年より増加した」施設の割合は全体の35.8%となり、前年の同回答33.5%より微増した。一方「減少した」施設割合は35.1%で、前年の43%を下回った。「変わらず」回答は29.1%。この結果、全国の来場者DIは0.7となり、前年調査の-9.5から10.2ポイント改善し、わずかながらではあるがプラス域に浮上した。
 特に大地震で不況域に落ちていた九州は57.7ポイントと大きく改善し、復調ぶりをみせた。続くのは17.8ポイント改善した関西、13.8ポイント改善の関東。好調が続く北海道・東北は2.8ポイントのわずかな改善だが、全国一の高DIを維持、不調の中国・四国は0.9ポイント悪化した。大きく落ち込んだのは中部・北陸で15.2ポイントの悪化となった。
 結果として17年実績の地域別DI順は①北海道・東北27.8、②関西11.1、③九州7.7、④関東0.0、⑤中部・北陸-15.2、⑥中国・四国-23.1となる。

◎売上部門
 「売上」部門のDIは、前年の-15.9から8.8ポイント改善したもののプラス域には届かず-7.1となった。来場者DIと比例増加しないのは1人当たり消費額の低下が要因。
 「増加」回答は、昨年調査の29.9%から27.3%と少なくなったが、「減少」回答が45.9%から34.4%に大きく減ったため改善値となった。地域格差があり、改善率トップは低迷が続いていた中国・四国で53.3ポイントの大幅回復となった。続いて九州の27.3ポイント、関西25.8ポイント、関東21ポイント。逆に好調だった北海道・東北は45ポイントの大幅ダウン、中部・北陸も30.2ポイントの落ち込みに。
 この結果17年実績のDI順は①関西12.5、②北海道・東北5.0、③関東-6.4、④中国・四国-6.7、⑤九州-18.2、⑥中部・北陸-24.3。

「全国ゴルフ練習場経営調査」について
 「練習場経営調査」は(株)ゴルフ経営研究所が毎年2~3月に実施しているもので、今年で42回目。対象は全国のゴルフ練習場施設(※練習場の定義による)3,155施設で、有効回答集計数は300。地域内訳は施設分布比例に準じ、北海道・東北38(集計配分12.7%)、関東92(30.7%)、中部・北陸66(22.3%)、関西51(16.9%)、中国・四国27(9.0%)、九州25施設(8.4%)。
なお、本調査はアンケート方式のため、比較的積極的な経営者が回答する傾向にあり、業界全体値「練習場の利用状況」とは異なります。練習場業界の推移等全体の流れをみる場合は「利用状況」を、経営指標等には本調査値を参考にしてください。

参考資料(Excel形式)
●ゴルフ練習場の経営調査結果平均値一覧(2018年)Exel形式

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